■ 砂ダコ(フートォ)

オロンに生息する大型生物。

形状は地球のタコに似るが、体長は数十メートルにも達する。惑星全土がアリゾナの荒野のごとくなってしまったオロン、その砂海の生態系を支える中核の役割を果たしている。荒廃したオロンでは、大深度の地下水しか水源がない。砂ダコは定期的に砂海を千メートル以上潜り、給水して浮上するという生活を繰り返している。その時に大量の濡れた砂が地表に現れる。これが他の小さな生き物たちを潤している。

砂ダコの食物は砂中に存在する藻類であり、これを大量の砂ごと巨大な口からとりこみ、体内で分離して消化する。そして残った砂は莫大な排泄物として砂海に撒き散らされる。これには様々な有機物が含まれており、それを餌にする微生物や小動物も存在する。

砂海の生態系は砂ダコ中心に循環しており、彼らが絶滅すれば消滅してしまう。だが地下水の量は徐々に減っており、それにともない砂ダコの個体数はかなり減っている。