■ 青銅の種族

有機・無機の組み合わさったハイブリッドな生命体。

極少数の固体のみが自我を持ち、圧倒的多数の自我無き個体を統御している。自我を持つ固体の中でも最高位にあるのが女王。女王の自我は主自我と呼ばれる。そして、主自我に対して基本的には従属的であるものの、あくまで独立した立場である従自我を持つ個体、それを騎士と呼ぶ。それ以下の自我を持たぬ固体は実行体とよばれる。

女王も騎士も必要に応じて様々な実行体を生み出す事が出来る(その命令を発する事ができるという事で、自信が母胎となる事を意味しているわけではない)が、新たなる自我を創生できるのは女王だけである。女王や騎士から見た実行体は自分の一部という意識。個体としての実体はもちろん持っているが、自分の制御下にある実行体全てを1まとまりで自身と感じる側面もある。一方、特定の実行体に意識を集中すると、その身体に乗り移ったかのような感覚で行動する事も出来る。彼らはこれらを実体・全体・仮体と呼び、使い分ける。

彼らの科学文明が生み出した最大の功績は意識の信号化である。これにより思考の機械的伝送が可能となり、銀の種族のようなテレパシーを用いずとも、言語を遥かに超える高度なコミュニケーションが可能となった(このような技術は、高いテレパシー能力を持つ銀の種族の文明では生まれなかった)。

彼らのテクノロジーは自らの肉体に直接反映され、時と共にその体組織を拡張させてきた。つまり彼らにとって文明の進歩は彼ら自身の進化に等しい。人類が初めて相まみえたとき、大変に生物的な外観を持つ宇宙船や機動兵器と思ったそれは、青銅の種族自身の姿だったのである。