■ スターウェー航法
船体を通常時空から隔離し、スターウェー上をアストラクションによる加速で進む超光速航法。
アストラクションを媒介する粒子はタキオン(超光速粒子)の一種ではないかと考えられている。その伝達速度は無限大とも言われている。この粒子は通常時空に広範だが穏やかな影響を及ぼしながら、その実体は相対論的時空の外をうねる激流。
ワープフィールドで船体を通常時空から隔離すると、空間という抵抗が消失する為、アストラクションによる加速は光速という束縛から離れ、アストラル・カレントの流速に近づいてゆく。この時、船体質量は加速に影響しない。質量は相対論的事象であって、このアストラクションの属する系では意味を持たない。速度に影響するのはアストラル・セイルの抵抗値。抵抗が無限大の時、セイルの得る速度とカレントの流速は一致する(無限大)。ただし、維持に必要なエネルギーが極大化するため、実際にそのようなセイルは存在し得ない。
ワープフィールド発生装置は強力な重力と反重力を拮抗させ、量子的時空の狭間をこじ開け、その中に船体を包み込む。
その原理上、スターウェー以外でのワープは難しい。アストラル・タービンエンジンはアストラクションと同じ推力を人工的に生み出すが、その運転には途方も無いエネルギーを要し、にもかかわらずその推力はスターウェーのカレントに比べてあまりに小さく、精度も低い。緊急離脱用の装備として一部の軍艦に採用されるのみにとどまっている。原理的には帆をプロペラとして使うようなイメージ。核となる技術はアストラル・セイルと同じだが、構造は遥かに複雑で本体が巨大な為、かなりの大型艦でないと搭載は難しい。