インタビュー CASE:船山千帆

作品制作に実直な会社。真面目な人が多いなと思います
名前:船山 千帆
所属:製造技術部 作画課
入社年:2017年
役職:動画・動画検査
※このインタビューは2025年6月時点の内容となっています。
質問1)学生時代はどんなことをしていましたか?
上京して、東京のアニメの専門学校に入りました。作画、仕上げ、撮影、制作進行など、アニメを制作するうえで必要なセクションを一通り学んだんですけど、もともと絵を描くことが好きだったので、自分には作画が合っていると思って、就職では作画職を選びました。せっかく上京したんですけど、日々学校の課題に追われていたので、東京らしい場所に行ったり、アルバイトをする余裕はなかったです(笑)。
質問2)Production I.Gへ入社を決めた理由は?
中学生の頃くらいからアニメをよく観るようになって、その頃好きだったのが『黒子のバスケ』『戦国BASARA』『ハイキュー!!』『PSYCHO-PASS サイコパス』とか、I.Gの作品ばかりだったんです。
あとは、アニメの専門学校なので、業界の先輩から話を聞く機会もあったんですけど、「I.Gは真面目な感じがするよ」という噂を聞いていました(笑)。調べてみると、育成に手厚い会社だと分かったので、キャリアを重ねていくならこの会社がいいなと思いました。
質問3)Production I.Gはひとことで言うとどんな会社でしょうか?またその理由は?
「作品制作に実直な会社」です。働いていて、真面目な人が多いなと思います。作品に対してストイックで、納品までのスケジュールが厳しいなかでも、最後のギリギリまで作品がもっと良くなるようにと作業にあたります。作画だけじゃなくて、各セクションの人がそれぞれにプライドを持って仕事しているというのは働いていて常日頃から感じています。
また、育成においても実直さを感じます。I.Gの作画では、研修期間が二ヶ月としっかり設けられていますし、一人の新人につき、一人の師匠がついて一年間丁寧に指導を行います。私が新人のときは、師匠が私のペースに合わせてカリキュラムを組んでくださりとてもありがたかったです。原画の線をトレスするにしても、ただ線を引くだけではなくて、立体感の出し方とか、演出意図を読み解いて線を引くというキャラクターを動かす本質を学べたと感じています。
質問4)今はどんなお仕事をされていますか? 作品名と作品の中での業務担当をお教えください。
I.Gが制作する新作のアニメーションで、動画と動画検査をしています。1話数分すべてのカットの動画から動画検査までを担当するという変則的な関わり方をしていて、映像にミスがないか等を確認するラッシュにも参加しています。今はとにかくその仕事に集中しています。
また、1年目の動画マンの師匠と、新たにデジタル教材を導入した動画マンへの指導も担当しています。

質問5)休日の過ごし方を教えてください。
紅茶や緑茶が好きでよく飲むので、それに合うお菓子とかパンを作ったりしています。特にハード系のパリッとした食感のパンが好きでよく作ります。こねる作業がいい運動になりますし、発酵する様子を見るのも楽しいです。根本的にものづくりをするのが好きなんだと思います。配信で映画やドラマを観て過ごすこともあります。
質問6)入社してから今までで一番印象に残っている仕事は? その理由は?
初めて一人で1話数分の動画検査を担当した作品が『銀河英雄伝説 Die Neue These』の29話なので、やはり印象に残っています。総作画監督の後藤さんや、キャラクターデザイン・総作画監督の菊地さんといった錚々たるベテランの方と一緒に仕事をさせていただいて、緊張しましたが、すごく勉強になりました。この仕事は、明確な「正解の絵」というのがないので、動画検査をしていると自分ではこう描かないなと思う上がりがくることもあるんですが、その絵が良いものか悪いものか考えることで、自分の引き出しには無い表現方法をインプットすることが出来て刺激を受けています。

質問7)今の自分の役職を目指すなら、どんな資格や経験を有しているといいと思いますか?
絵描きは、絵が上手いことが生き残るうえで一番なので、特に資格は必要ないと思います。ただ、作画以外のセクションのことも知っておくと良いと思います。アニメは多くの人が関わって完成するエンタメなので、ほかのセクションの方が困らないように配慮しながら、分かりやすく作業することが大切です。私は専門学校で色々なセクションを経験したことで、仕上げや撮影など作画以降の工程のことを想像しやすくなったので、幅広く学んでおいて良かったと日々実感しています。
あとは、スポーツをしたり、旅行に行ったり、色んなことを経験しておくと良いかと思います。キャラクターに芝居を付けるというアウトプットをするためには、動き方を理解していることが結構大切です。例えば、スポーツものの作品で、自分がそのスポーツでの体の動かし方を知っているのと知らないのとでは、キャラクターの動かし方が変わってきます。なんでも経験して、色んな人を観察しておくことが糧になると思います。
質問8)自分が面接官なら、どんなポイントを見ますか?
会話のキャッチボールができる方かどうか、という点は気にします。明確な「正解の絵」というのが無いからこそ、この仕事では、どういう意図でこう描いたのかを言葉で説明する機会が多くあります。そのときに明確に答えてくれる方だと嬉しいですし、意思を伝える力というのは、ステップアップしていくうえでも大切な能力だと思います。
質問9)現在就活をしている方へメッセージをお願いします。
絵はいっぱい描くに越したことはありません。パッションがあれば、I.Gは着実に実力をつけながらステップアップしていくのにとても良い会社だと思います。互いに高めあって、良い作品を世に送り出していけたら嬉しいです。