インタビュー CASE:後藤隆幸

育成を充実させていることが当社の良いところだと思います。

(2020年インタビュー時)

後藤隆幸(ごとう たかゆき)。国際アニメーション研究所卒。作画監督。

I.Gでは、どのような仕事をされていますか?

直近では『銀河英雄伝説 Die Neue These』の総作画監督をやっていました。いまは新しい作品の作画監督をしています。

アニメーターの仕事のやりがいや、難しさを教えてください。

20代~30代前半の時は自分の夢や、やりたかった事が出来たときはこの仕事を選んで良かったと思いました。ただアニメーターとして生きていくためには好きな仕事ばかり出来るわけではなく、苦手なこともこなしながら絶えず成長していかなければいけません。時代とともに自分も変わっていかなければ成長もないし生き延びていけないと思います。

仕事において大事になさっていることを教えてください。

第一に「この仕事を好きでいる事」
第二に「仕事に波を作らない事」
第三に「上手い人の影響を受ける事」
第四に「動きや絵に自分らしさや拘りを込める事」
特に第二の「仕事の波を作らないという事」は、いつもコンスタントに仕事をして自分自身が制作作業のボトルネックにならないように心がけています。

作画職としては、どのような人にI.Gに参加して欲しいですか?

絵がうまく手が早い方がもちろん欲しいのですが、もちろんそれだけではなく、「一枚の絵だけではなく動きや映像に興味を持っている事」「精神的にタフである事」「向上心がある事」、最後にやっぱり絵のクオリティーがそれなりにあり、個性とスタイルを持っている方で伸びしろが感じられる方。出来れば当社の事をある程度知っていると良いと思います(制作作品など)。ただ、いろんな才能を持った方がいると思いますので、あまり絞りすぎないようにしています。色々な方に試験を受けて頂きたいと思います。

Production I.Gスタジオ棟内の後藤さんの作業風景。

作画職としてI.Gに参加することに、どのようなメリットがありますか?

当社の教育の仕方として、最初は動画として仕事をして頂きます。その最初の動画1年間はアニメーターとして4年以上経験している原画の先輩が1年間マンツーマンで指導します。原画にスキルアップした時点でも1年間、作監経験者が指導し、育成を充実させていることが当社の良いところだと思います。

他に、沢山の実力のあるフリーランスのアニメーターがスタジオに入られているので、それを肌で感じられるのも良い刺激になると思います。作品のラインナップも多種多様で、劇場作品やテレビシリーズなど、いろいろな作品を経験できるのも当社ならではだと思います。

それから、収入の面を大変心配しているのではないでしょうか?確かに収入面で最初の数年は大変だと思います。これは当社のデータ的にもかなり厳しいことは間違いありません。アニメーターの場合、個人事業主の出来高制度を取っていますが、出来高とは別に年間42万円の契約金(3年間)や時間協力金(条件あり)をお支払いしています。2年目からの出来高の15%~20%の技術料もプラスされ4年目以降は春と秋の2回のインセンティブ報酬が加わります。(詳しいことはHPの募集要項を参照してください)

就職活動をされている人に、最後にメッセージをください。

学生さんの方々はコロナウイルスのことも有り、十分な授業が受けられないままの就活になると思いますが、自粛中に沢山の絵を描くことが出来ると思いますので、頑張ってポートフォリオ等を仕上げてください。日本や世界にはアニメーションの会社が数多くあると思いますが、是非当社の門をたたいていただけると幸いです。