インタビュー CASE:佐藤真由美

佐藤さんの仕事用眼鏡。仕事用とプライベート用で眼鏡を変えているそう。

色は、見ている人の感情を揺さぶるのに影響してくるので、お話とマッチした色ができるように、日々頑張ってます。

(2021年インタビュー時)

佐藤真由美(さとう まゆみ)。代々木アニメーション学院 仕上げ科卒。色彩設計・色指定・セル検査。

I.Gでは、どのような仕事をされていますか?

いま携わっているのは新作の短編作品で、色彩設計・色指定・セル検査を一人でやっています。短編だと一人でできる分、より色に統一感を出せて楽しいです。

自分がはじめて仕上げとして参加した作品は、劇場アニメ『母をたずねて三千里』でした。その後、広瀬さん(色彩設計・仕上げ課 課長)に誘っていただいて、I.Gに入りました。


広瀬いづみ(色彩設計・仕上げ課 課長)インタビュー

https://www.production-ig.co.jp/recruit/interview/interview-hirose

仕上げの仕事のやりがいや、難しさを教えてください。

物語に気持ちが入り込めるような画面作りに、色で貢献できたときはすごくやりがいを感じますね。たとえば『ボールルームへようこそ』は、仕上げとして面白い作品でした。イメージのシーンが多く、通常の色調ではないものが多かったので、そのたび考えましたし、面白いなと感じながら仕上げをしていました。

難しさを感じるときは、色のイメージがなかなか湧かなかったり、監督のイメージを掴むのが難しかったりするときです。自分がこうだと思う色があったときは押したりもしてみますが、基本的には監督のイメージを優先しています。なので、自分らしい色遣いというものはあまり出さないようにして、なるべく作品に沿うようにしたいと思っています。

色は、見ている人の感情を揺さぶるのに影響してくるので、お話とマッチした色ができるように、日々頑張ってます

仕事において大事になさっていることを教えてください。

集中力が続かなくなってきたので、朝早く会社に来て、集中して、今日やるべきことをやる、ということを大切にしています。昔はいつまでも仕事をやってたのですが、最近は無理がきかなくなってきました。

仕上げ職としては、どのような人にI.Gに参加して欲しいですか?

コツコツと仕事ができて、仕事を楽しめる人でしょうか。毎日ずっと塗りをしていると、やっぱりちょっとつらくなるときもくるのですが、それを切り替えて「どうやったらもっと間違えずに早く塗れるだろう」とか「なるべく美しく塗ろう」とか、楽しみながらやれると良いと思います。
あと、結局人とコミュニケーションをとらないと仕事にならないので、コミュニケーションがある程度とれる人に入ってきてほしいです。

仕上げ職としてI.Gに参加することに、どのようなメリットがありますか?

I.Gは、仕上がりが美しい会社です。言葉にしづらいのですが、たとえば紙からスキャンして線画を二値化(白と黒の2色のみに変換すること)したときに、原画とニュアンスが異なったりするのですが、元々の線をできるだけ再現できるように仕上げていきます。
そういった文化は、昔からの社内の教育の積み重ねで出来上がっていると思います。I.Gに入った当時、今までやっていたように塗っていたらリテイクが来て驚いたことがありましたが、仕上げとしての専門性を上げるにはいい環境だと思います。

就職活動をされている人に、最後にメッセージをください。

学校で塗りの基礎をしっかり学んでください。頑張った分、即戦力として活躍できる時期は早まるかなと思います。また、色に興味を持って生活するというのも、とても大事なので、日々観察をしてみてください。

佐藤さんの作業机。在宅勤務も進んでおり、作品状況によって出勤日を調整しているそう。