インタビュー CASE:都築優介

I.Gは「誰にでもチャレンジできる環境がある会社」
名前:都築優介
所属:制作3部
入社年:2017年
役職:制作デスク、プロデューサー
※このインタビューは2024年12月時点の内容となっています。
質問1)学生時代はどんなことをしていましたか?
勉学よりも、学外で色々なことに励んでいた記憶の方が残っています。
全体としては平凡な学生だったと思いますね。サークル活動ではバスケットボールをやっていました。アルバイトでは新聞社で本紙の編集業務のお手伝いをしていて、これは少し特殊な仕事かもしれません。かなり長く従事していました。そこまで大変な業務ではないのですが、新聞ですから毎日締切があって、毎日のように時間に追われる瞬間があったんです。その経験は、もしかしたら今の仕事にも活きているかもしれません(笑)。
休日は、アニメーションが好きだったので、毎クール結構なタイトル数をチェックしていました。TYPE-MOONさんの作品がかなり好きで、アニメだけではなく、ゲームも含めてよく触れていましたね。
質問2)Production I.Gへ入社を決めた理由は?
就活のとき、アニメ会社への就職しかほぼ考えていませんでした。その中でProduction I.Gへ入社を決めたのは……正直に言えば、「採用してくれたから」というのはあります(笑)。
もちろんProduction I.G制作の好きな作品は多くありましたが、作品よりも会社としてしっかりしている印象があり、海外からの評価も高かったので、入社して様々なことにチャレンジできる環境があるかもしれないと思えたのが、大きかったですね。
質問3)Production I.Gはひとことで言うとどんな会社でしょうか?またその理由は?
「誰にでもチャレンジできる環境がある会社」でしょうか。いい意味で、自由度が高い。もちろん、キャリアを積んで、経験があるから次のステップへ行ける……という流れは前提としてあるんですけど、経験を積んできた人間がチャレンジしたいと言ったときに、「やってみなよ」と背中を押してくれるところがある会社だなと。その分、大きな責任も伴うことになりますが、サポートしてくれる体制も整っているんです。
たとえば僕の場合だと、「天国大魔境」の制作デスクを担当するのは、自分から手を挙げて志願したんです。自分のいた制作ラインとは別の班の作品だったんですが、条件付きの出向のような形で参加させてくれました。
質問4)今はどんなお仕事をされていますか? 作品名と作品の中での業務担当をお教えください。
未発表の作品で制作デスクを担当しています。作品全体のスケジュールとクオリティの管理を軸に、上司にあたるプロデューサーと部下にあたる制作進行とのつなぎ役として、日々様々な制作上の課題に取り組んでいます。

質問5)休日の過ごし方を教えてください。
仕事と趣味が一緒になってしまっているので、休息にあてることが多いですね。2日間以上休みの場合は、片方の日は割と一日寝て過ごしてしまっています。でも2日目には、平日にできなかった家事等をこなしつつ、散歩に出かけたりして、何かしたという充実感を得られるように心がけています。
アニメやマンガ、ゲーム、映画といったもののインプットもしていますが、それは休みだから意識してやると言うよりは、日常的にやっている感じですね。
質問6)入社してから今までで一番印象に残っている仕事は? その理由は?
先程も話題に挙げましたが、『天国大魔境』の制作デスクです。
絵コンテ・演出の方がローテーションで関わるのではなく、「この話数はこの人が合ってそうだよね」みたいなところを意識して、スタッフを配置していった。その人選にかなりこだわって、新しい経験ができたのは楽しかったんですけど、大変でもありました。でもそうして、クオリティを意識して最後まで作り切ることができて、放送が終わった後、作品を様々なところで評価もして頂けたんです。大変さが物凄いやりがいに繋がったという点で、とても印象に残っています。

質問7)今の自分の役職を目指すなら、どんな資格や経験を有しているといいと思いますか?
制作進行、制作デスク、アニメーションプロデューサーと求められるものは変わるところもありますが、制作部で一貫して、一番大事なのは、「コミュニケーション能力」だと思います。
一本のアニメには多くのスタッフさんが関わっているので、「この方はこういう言い方をされると嫌だろうな」とか、基本的に作業者さんそれぞれの感覚ベースで、伝え方を考えたりすることが大事です。あとはその人がやりたいこととか、本当はやりたいんだけど上手く表現できないところをきちんと引き出してあげられるようにコミュニケーションを取ったりとか。そういうところにも気をつけられるといいかもしれませんね。
入社後の話になりますが、昨今は一話数を作るのに必要な期間がどんどん延びている傾向があるので、制作進行として、より一話数、一話数にしっかりと向き合い、責任を全うするという経験を積んでいくことが必要だとも感じます。
資格に関しては、この仕事には不要だと思いますが、海外のクリエイターさんとのお仕事の機会が増えてきているので、英語を筆頭に海外の言語能力があると有利だなと感じます。英語以外だと、中国語、韓国語とかが話せたりすると、強そうな印象が昨今はありますね。
あとは強いていうなら、オフィスソフトとAdobe製品の使い方に軽く慣れていると、仕事の飲み込みが早いかもしれないです。
質問8)自分が面接官なら、どんなポイントを見ますか?
Production I.Gに入ってどんなことがしたいのか、もっと広く言えばアニメ業界に入ってどんなことをやりたいのか。この点がより明確であればあるほど、私はよい印象を受けると思います。
やはり制作進行は、お世辞にも簡単な仕事とは言えません。上司がいくらフォローしても、その話数一本を納品する責任は、その人自身のもの。それだけ大きいものを背負うので、自分自身で決断して、踏み出せないといけない。それができるかどうかが、その人の制作進行としての人生を左右します。そうした局面で最終的に自分の心を支えてくれるのは、目指している場所があるかという部分になると思っています。だからそこを重視して見ますね。
……こんなことを言いながら、自分は明確じゃなかったんですけどね(苦笑)。入社後に、業務の中で将来の道を決めていったんですが、定まるまで結構つらかった部分もあるので、逆にこういうアドバイスをしています。
質問9)現在就活をしている方へメッセージをお願いします。
繰り返しになってしまいますが、アニメ業界に入ってどんなことをしたいのか、具体的な夢をしっかりと持っていることが一番大事だと思っています。ただ「アニメが好きだから」だけではなくて、もう一歩踏み込んで考えてほしい。制作会社毎にできること、できないこと、得意不得意はもちろんあると思いますが、アニメ業界を目指すという部分では、最終的に何になりたいかという自分の芯になる部分を、大切にしてもらえたらなと思います。それが面接でも話せると、結果にすごくプラスに働くんじゃないかなと思いますよ。