『ももへの手紙』文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門・優秀賞受賞!
この度、映画『ももへの手紙』が、2011年度[第15回]文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門・優秀賞を受賞いたしました。
贈賞理由
日本が研鑽してきたリアル系アニメーション。そのクオリティの頂点に位置する作品で、
リアルさを生活と同居するファンタジーものに応用した。デフォルメを抑制し、骨格や筋肉などを感じさ
せるリアルなキャラクターを用いることで、瀬戸内海の日常空間の中で妖怪たちが騒動を起こすという
非日常性に説得力と実感をもたせている。妖怪の言動のユーモラスさや主人公の亡き父への後悔、
母の抑制的な家族愛など言葉にしづらい感情の機微は、1枚ずつ丹念に描かれたレイアウトとアニメーション作画が支えている。
原案・脚本・監督を兼ねる沖浦啓之によるオリジナルのストーリーは幅広い観客層に訴求するが、その魅力と感動が「動く絵で再構築された日本」と直結している点は、実に貴重に思える。
アニメーション表現の力と可能性を改めて実感させた作品である。