第二章「訣別ノ路」

守りたいものがある
—友に仇(あだ)なす刃(やいば)となっても

アテネス軍・ゼス率いるワルキウレス部隊は、迎え撃つクリシュナ軍を撃破しつつ王都ビノンテンへと迫っていた。この襲撃がゼスの本意ではないと信じるライガットは、交渉のためデルフィングを駆って単身出撃。士官学校で〝書記長の弟〟と〝能なし〟として出逢ったふたりは、4年の時を経て戦場での再会を果たす。クリシュナは大国オーランドに与したとみなされており、降伏しか道はないと迫るゼス。ホズルにそんな野望はないと反発するライガット。互いに相手こそが兵を退くべきと譲らず、交渉は決裂。ゼスはライガットに銃口を向ける。これを受け、クリシュナ軍・バルド将軍はライガットの援護へと出撃。一方トゥル将軍率いるドラウプニル重騎士団はワルキウレス部隊との銃撃戦に突入する。両軍入り乱れる混戦から辛うじて離脱したライガットだったが、ゼスの部下・リィに遭遇。デルフィングの稼動限界が迫る中、一騎討ちを余儀なくされてしまうのだが…。