第五章「死線ノ涯」

超える——戦火の照らす忌(い)まわしき相似(そうじ)

アラカン荒野で激突した、バルド将軍率いるクリシュナ軍とボルキュス将軍率いるアテネス軍。両大隊とも多大な犠牲を払い、勝敗は傷み分けとなった。クリシュナ軍が態勢を立て直すべく撤退準備をする一方、ボルキュス大隊の一部が再び行動を開始。目的地はライガットの故郷の村だという。ナルヴィの制止を振り切り、弟・レガッツを救うべくデルフィングで単身急行するライガットだったが、到着した村は既にアテネス軍の襲撃に晒され、凄惨な光景が広がっていた。呆然とするライガットの眼前に立ちはだかる、ボルキュス将軍の乗機・ヒュケリオン。デルフィングの圧倒的なパワーと運動性能に驚嘆したボルキュスは、ライガットとの一騎打ちを望む。追跡するナルヴィらミレニル部隊が近付く中、アテネス軍最強のゴゥレム・ヒュケリオン対デルフィングの直接対決が始まった…!