2013年5月24日『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』プレミア先行上映イベント

会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ

登壇者:黄瀬和哉(総監督・キャラクターデザイン)、冲方丁(シリーズ構成・脚本)、石川光久(Production I.G代表取締役社長)

新たなスタッフが創り出す、シリーズ最新作『攻殻機動隊ARISE』。
6月22日の公開を一ヶ月後に控え、第1話”border:1 Ghost Pain”のプレミア先行上映会が、全世界に先駆けてTOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ梅田にて行われた。

TOHOシネマズ六本木ヒルズではborder1:の上映後に、総監督・キャラクターデザインの黄瀬和哉、シリーズ構成・脚本の冲方丁、そしてプロダクションI.G代表取締役社長の石川光久が登壇。今シリーズ『攻殻機動隊ARISE』の誕生についてのエピソードから、border:1への想いや魅力が、三名の口から語られるトークショーとなった。

攻殻機動隊のスクラップ&ビルド

石川は「今までの攻殻機動隊をいかに壊せるか、そして壊したあとの攻殻機動隊をいかに好きになってもらうかが課題。そこで、この2人にお願いした」と黄瀬監督と脚本・冲方丁を紹介。さらにシリーズ全体の構想にも触れ、全く新しいスタッフ・キャストによる、新しい攻殻機動隊をみせられれば、と今後の抱負を述べた。

石川光久

女の子に気に入ってもらえる素子を目指した

今回一新され、ファンとしては気になるキャラクターデザインについて黄瀬監督は、原作通りにしたいという気持ちもあったが、映画に近づけたと語る。「どうしたら素子の少女らしさ、未熟な瑞々しさを出せるかを考えた。女の子に気に入ってもらえる、可愛いと思ってもらえる素子を描きたかった。」と語り、会場の女性客の中には、大きく頷いている人も(トークはborder:1上映後に行われた)。これに対して冲方は「新しいキャラをみて、絵がうま過ぎて誰も突っ込めないんですよ」と笑いつつ、「主人公のデザインを一新するという覚悟に冲方としては追い込まれた。(監督とのやりとりでは)黄瀬さんはピンポイントでのハードルが高くて苦労した」と明かしていた。

黄瀬和哉

これから立ち上がる攻殻機動隊

「これまで描かれていなかったものは何か」を模索していった中で、今ある攻殻機動隊の先よりも「これから立ち上がる攻殻機動隊」を描き、これまでにない未来を志向する願いを込める方向性を追求した本作。冲方丁は「初めて見せるものがたくさんあり、草薙素子の過去、誰と何があったのかが明らかになる」と見どころを明かした。「ひとりの、チームではないことによる弱さ」が突きつけられるborder:1では、海外ドラマのようなサスペンスがやりたいとのオーダーに、いかにして優れたハッカーでもある素子から情報を遮断し「ひとり」の素子を最大の危機に追い込んでいくかを考えたという。

冲方丁

仲間と出会い、チームとして絆を結んでいくARISE。果たしてborder:1では素子が誰と出会うのか。本作の公開を楽しみにしてほしい。