アンケート質問項目
- Q1
- 今回の作品に参加する際に感じた意気込みを教えてください
- Q2
- 実際の作業に入ってから感じられたことを教えてください
- Q3
- 好きなキャラクターやシーンを教えてください
- Q4
- ズバリ、どんな作品に仕上がっていると思いますか?
- Q5
- 最後におすすめ鑑賞方法を教えてください
藤咲淳一(脚本)
- A1
- 日曜の朝、自宅の和室にいるときに、石川さんから電話があり、「悪いんだけどさ……」のいつもの枕詞で始まった仕事だったので、引き受けないわけにはいかないわけで、とりあえず監督が決まるまで、プロジェクトをすすめるためのスターターの立場で受けました。そんな形でしたので、「やらなきゃやられる!」の心境でした。
- A2
- 苦しかったのは、過去のCLAMP先生の作品を短期間で読み込んだこと。ある作品の初稿アップと重なっていたこと。嬉しかったのは、奥さんにも名前のわかる作家さんの仕事ができたこと。
- A3
- 好きな場面は、屋敷を彷徨う四月一日の場面。脚本段階でウィンチェスター屋敷のように増改築をずっと繰返しているような奇怪な屋敷にしてほしい、みたいな無茶苦茶な要求を、水島監督が見事に映像化してくれたからです。
- A4
- 青しそを和えた冷奴と、たこわさびと共に飲みたい、「神亀酒造:神亀 純米 上槽中汲無濾過 生おりがらみ」といった感じでしょうか。
- A5
- 「xxxHOLiC」を見て、「ツバサ」を見る。そしてもう一回、両方の劇場作品にあるキーアイテムの意味を考えつつ、見てみると、二度おいしいかと思います。さらには、真夏ノ夜ノ夢らしく、納涼お化け屋敷になればいいなあと思って、構成した作品ですので、ゲラゲラ笑って、ホロホロ涙してください。
櫻井圭記(脚本)
- A1
- コレクターにまつわる話が書きたくて、大オチだけは考えていたのですが、それが果たしてCLAMP先生の原作のテイストを崩さずに実現できるのか、という不安がありました。しかし藤咲さんとの共同作業だったので、胸を借りるつもりで思い切ってやりました。
- A2
- 理論経済学の貨幣論においては「守銭奴」(お金を貯めるだけで使わない人)が、しばしば分析対象として取り上げられることがあります。彼らは「何をも買うことができる」という立場を維持するために「決して何をも買わない」という奇妙な本末転倒ぶりを発揮します。結果、それ自体に使用価値が無く、他のモノと交換可能であるという点においてのみ有用性のある貨幣をひたすらに退蔵し、物欲を抑制することに成功するのです。
コレクションという現象もこれに似た要素があるという気がします。当初こそ個々のモノに対する他愛も無い愛着から始まるのでしょうが、ある一定段階を超えると、まだ自分の持っていないモノを揃えなければならない、という強迫神経症的な意識に変質する気がします。そして集めている対象への興味は次第に失せ、集めるという行為そのものが自己目的化するという局面を迎えるのではないでしょうか。
こういう人間の持つ心理のパラドクスを描きたい、というのが今回の脚本を書く際の最大のモチベーションであり、腐心したところです。上手くいってるかどうかは分かりませんが…
- A3
- コレクターたちのキャラクターの表情がデフォルメするシーンがあるのですが、そこが大好きです!
- A4
- 藤咲さんが脚本に加筆修正をしてくれたおかげで、エンタテイメント性が大幅にアップしたと思います。もしストーリーが若干なりとも面白いものになっていたとすれば、それは全て藤咲さんのおかげです。
さらに水島監督が絵コンテで追加して下さったギャグシーンや屋敷内のカラクリのアイディアも凄く映像作品を意識したもので面白かったです。川口プロデューサーにお願いして、毎日少しずつあがる絵コンテを見せていただいていたのですが、それが本当に楽しみでした。
- A5
- 屋敷の中の映像は、無気味かつ美麗で本当にスゴイと思います。また耽美で陰鬱とした雰囲気を持つキャラクターたちのヴィジュアルはこの作品の魅力の中核です。是非、映画館でこの映像に触れて欲しいと願います。