作品紹介xxxHOLiC
あるいは、耳アカをほじったり
あるいは、特殊な関係を持つ人物について匂わせたり
あるいは、それが動かないことである種の大リーグボールが生まれたり
———ということまではそうそう無いものの、小指には物理的にも
精神的にも一定の存在感がある。
あ、電話。はいどうも。あがり出てますか。ありがとうございます。
回収行きます。着いたら電話入れますんでハイ後ほど。失礼しますガチャ。
今夜のxxxHOLiCは、小指にまつわるちょっと因果なお話。
最近、小指が思うように動かなくて…という女性。
彼女はいわくありげに侑子のミセへと誘われ、やはりいわくありげな指輪とともに
「小指はなにをする指なのか?」と問い掛けられる。
はい? 設定渡ってないですか? えっと昨日の定期便で送って…
ないですね。すみませんボンクラで。ええ。これ書き終わったら。やっときます。
彼女はその問いの意味に気が付くだろうか。
無自覚。無意識。悪気はない。
そうした中での行為が、往々にしてもっとも悪質であったりする。
悪意のなさが、罪を深くする。
わきまえのなさが、罪深さの増すままにしてしまう。
うん、苦しくなってきた。
さあ、小指はなにをする指なのか。
彼女はなにに気付かず、その罪をどうあがなうことになるのか———
今宵、ぜひ見届けていただきたい。
あ。マツヤマさん(※)。カット袋はカット袋で切れるんだよ。
まじまじ。ダイヤでダイヤを切るようにね。ふふ。こうやって。痛。
指切った。
※マツヤマさん…'05年秋入社、新人制作。女性。