作品紹介xxxHOLiC
先週のxxxHOLiC 『フウイン』に続く今夜は、第15話 『カイホウ』。
自分の行動や決断に、いつも自信の持てない双子の姉。
夕食の材料を買うにも、失敗したときのためと余計に選んでしまう。
なくしたコンタクトを探しながらも、きっと見つからないとあきらめている。
活発な妹が百目鬼と仲良くする様子に、自分の居場所を見失ってしまう…。
それを侑子は、『鎖に縛られている』と表現する。
イキモノは皆、縛られて生きている。
魚が水からあがれないように。けものが地面から1ミリも離れてはいられないように。
なにより、いのちに限りがあるように。
たくさんの『鎖』の中で、ヒトにも使える鎖…いや、ヒトだけに使える鎖がある。
ヒト以外のイキモノが持っていない鎖。
『見つからないと思います』
なくしたものを探している人間の言葉とは思えない。事実、それは見つからない。
自分が、そう思っているから。心の奥で、決め付けているから。それを口に出すから。
『コトバ』
言葉を使うのは人間だけ。ということは、言葉は人間が人間であるための条件———。
そういう考え方もあるほど、われわれはそれに依存している。
あなたもわたしも、縛られている。
ヒトだけが持っている便利な道具は、ヒトだけにかけられた呪いのようでもある。
双子の姉が自分自身のつぶやきに縛られて、身動きが取れなくなっているように、
誰もが言葉で考え、言葉に悩み、傷ついている。言葉は自分を、縛る。
妹のようにはなれない、違うから、と言葉で自分に言い聞かせ、縛られてきた姉。
けれど、本当の思い、ネガイは別にある。
心の奥底にあるそれを見透かした侑子。「あなたのネガイは何?」
すがるように答えた姉のヒトコトは、本当に悲痛に響く———それはもう、
言葉にならないくらいに。
今夜もお楽しみに。