作品紹介イノセンス

2003年9月1日(月)

朝一よりオムニバス・ジャパンにて作業。
またしばらくは、赤坂通いの毎日となるでしょう。
御愁傷様です。

夜、スタジオに戻ってチェックをいくつか。その後、企画会議。

佳境を迎えてきたとはいえ、さすがに今日のメニューはハードですな。
頑張りましょう、あと半年の辛抱です。あと半年……。

道は遠い……。

2003年9月2日(火)

赤坂での作業後、モーターライズ直行にて、スタジオには入らず。
せっかくお土産ものの温泉饅頭があるのに、こんなときに限って来られないなんて……。

そういえば以前、モーターライズに行けば必ず甘いものが食べられる、と聞いたような気がしますが、まさかよそ様でも「腹が減った」だの「なにか食わせろ」だのと、おやつを催促しているんじゃ……。

……きっとそうだ……。

2003年9月3日(水)

オムニバス・ジャパンからオーブへ直行。川井憲次氏と打ち合わせ。

今日、別件で小林七郎氏にお会いしましたが、カントクのことを褒めておられました。
過去にエライ目にあわされたとか、すごく大変だったからもう組みたくない、などの話はよく耳にしますが、よもや敬愛する小林氏からカントクの賛辞を聞こうとは……。

いや、べつに深い意味はありませんよ。ほんのちょっと意外だっただけです。

2003年9月4日(木)

今日は午後から打ち合わせのため、赤坂には行かずにスタジオIN。
数日分溜まった原画のチェック、CGIやコンポジットのチェックなど。

帰って温泉に入りたい? 週末には入れるじゃないですか。それだけでも羨ましい。
なに、毎日入りたい? はいはい、そうでしょうね。

毎日温泉に浸かれるようになったら、次は温泉の中で暮らしたくなるんでしょうね。

2003年9月5日(金)

今日も赤坂のオムニバス・ジャパンにてDomino(ドミノ)作業。
なにせ日本に1台しかない超高価なシステムで、その性能はカントクが「Avalon」で惚れ込んだだけのことはあるのだが、かなり特化してはいるものの、要するに中身はコンピューターである。
最終的にモノを言うのは、使う人間の「知恵と勇気」である。
今回、スーパーバイザーの林氏、オムニバス・ジャパンの小坂氏・岡本氏という強力なスタッフに、演出面では西久保氏がついているので、内容的には万全……。

あれ? カントクの出番は?

イノセンス オムニバス・ジャパンにてDominoによる調整作業
(オムニバス・ジャパンにてDominoによる調整作業。左:VFXコンポジッターの小坂一順氏 右:デジタルエフェクトスーパーバイザーの林弘幸氏)

2003年9月8日(月)

Domino作業にかかりっきりの間、作画を始め各種確認物が机上にたまってしまうので、できるだけ国分寺まで帰ってきて、日々流れを止めないようにして欲しいのだが、毎日赤坂まで往復するのがよほどつらいと見えて、制作の要望にも渋りがちなカントク。
今日も、「持ってくれば作業の合間で見ておく」とのことで、仕方なくカットを持っていく。

そんなことばかりしていると、「来ない人の机は不要」とばかりに、折りたたみテーブルの監督席にされちゃうかもしれませんね。

「パト2」のときのように。

2003年9月9日(火)

海外版DVDの「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」オーディオコメンタリー収録。
国内版のコメンタリーもそこそこおもしろいものだったが、今回はさらに濃い内容になっていると思う。声優さんの名前を間違えたりしなかったし。
押井作品の原点は、やはりここにある。
オシイストには一聞の価値アリ……あ、でもリージョンコードが違うからダメか……。

スタジオがすぐそばだったので、収録後Domino作業に合流。
その後さらにスタジオジブリの鈴木氏とネタの仕込み……もとい、打ち合わせに。

えらくハードスケジュールですが、なにより最後の打ち合わせが一番キツそうですね……。

イノセンス オーディオコメンタリー収録

2003年9月10日(水)

宣伝がらみで打ち合わせのため、終日外出。
水面下ではありますが、各種宣伝展開が本格的に始まってきました。
現場作業以外に、やれ取材だのそれ打ち合わせだのと大変だとは思いますが、カントクには現制作終了後の宣伝でも、なにかと頑張ってもらわねばなりません。

今からゴネてる場合じゃないですよ。

2003年9月11日(木)

今日も終日スタジオには入らず。チェック物は出先で作業の合間に。

Domino作業終了後は、西方のイベント関連の動きで市ヶ谷方面へ。
その時間だと、今夜は帰れないのでは?
ハードだなぁ……。

仕事が詰まってくると、持病の痛風が発動しやしないかと心配です。
コンビニのおむすびや立ち食いそばばかりでは、別の病気の方がアブナイかな?

2003年9月12日(金)

今週初のスタジオ入り。午後イチから各種チェック。

とんとお見限りのカントクに、この機を逃してはならじとばかり、質問やら確認やら業務連絡やらイチャモンやらをぶつけに来るスタッフ多数。順番待ちに。

16:00過ぎにはDomino作業に合流すると電話連絡したのに、16:00を過ぎても席を立とうとしないカントク。
「あっちは暑くてさー。も少し待ってれば涼しくなるかと思って」だって……。

Domino作業後、オーブにて川井氏と打ち合わせ。

果たして、今日は愛犬の待つ我家へ帰れるや否や?

2003年9月16日(火)

今日もDomino作業。
連休明けとて、日々の作業に変化なし。

作業の合間にNHKラジオの取材。
こちらの都合もあるのだが、放送まで時間がないとのことなので、急遽オムニバス・ジャパンにて収録。
来週OA分(9月23日22:15~22:50 NHK ラジオ第1「ホリデージャーナル ~世界を駆けめぐる日本のマンガ・アニメ」)を今日収録とは、NHKさんも結構大変なんですね。

いや、カントクにとっては他人事じゃありません。
今週もかなりタイトなスケジュールですので、気合を入れてお願いしますよ。

2003年9月17日(水)

作業を終えた原画マンに追加の依頼、というか説得。
某オスカー受賞作の作画監督をやったあの人。
例によって脱線しまくりだが、本日のテーマは「日本アニメの現状と展望」。
結局、「イノセンス」は押井作品の総決算、究極のスゲエ映画、ということに。

押井守がアニメを殺しますか? そうかもしれませんね。

各種チェック作業後、原稿書き。
休む間もなく、イベントの音響作業のために東京テレビセンターへ。

2003年9月18日(木)

赤坂にてDomino作業。

一昨日アップ予定だった原稿の催促あり。
既に2日も予定を過ぎているというのに、「今晩あがる。明日の朝までには必ずあがる」ですと?

さては、忘れてましたね?

帰り際、高円寺で途中下車。
ガンコン……ですか……そうですか……本っ当~に好きなんですね、鉄砲。

2003年9月19日(金)

川井憲次氏を招いて音楽打ち合わせ。
さすがにカントクが絶対の信頼を置いているだけあって、万事阿吽の呼吸というか、ツウと言えばカアである。

押井「ここはこうだからこうね」

川井「あぁ、あれですね」

若林「またいつもとおんなじ、あれね」

一同「わはははは……」

若様ってば、カントクだけ笑ってませんでしたよ。

2003年9月22日(月)

休日返上で明日Domino作業をすることになったので、今日は取材関係を3件ほど詰め込む。
合間で通常の各種チェックも。
さらに取材後に企画会議。
そういえば、先週アップだった原稿もまだでしたね。

早急に解決しなければならない問題も数件あって、カントクの判断待ちだったりしますが、今日はもうその判断力は残ってなさそうですね……。

では、明日もがんばりましょう!

2003年9月24日(水)

午後、別件の打ち合わせで赤坂へ。終了後、Domino作業に入る。
夜も別件で打ち合わせがあるとかで、赤坂から直行。
結局、今日はスタジオには来られず。

顔を合わせない日が続くと用件がたまって困りますが、さらに困るのはたまった用件をまとめて伝えても、必ずそのうちのいくつかを忘れてしまうことです。
カントク用に御用帳を作って、首から下げてもらう日は近いかもしれません。

2003年9月25日(木)

今日も赤坂から別件の打ち合わせへ。

I.Gでは年に1度の健康診断がありましたが、カントクはいつものように不参加。
毎年自前で人間ドックに入っているので、会社の健康診断は必要ないとのこと。

でも、直腸検査が嫌でトイレに隠れたりしているようでは、あんまり役に立たないんじゃないでしょうか?

2003年9月26日(金)

打ち合わせのため、午後スタジオIN。

作画の調整。
それはもうなんというか、大変でフクザツで疲れるわりに達成感のない不毛な義務的業務というかやらないと進まないからやりたくないけどやるというだけなのではありますが、すでに自分でもなに言ってるかわからん……。

結果は、ここに書くのもはばかられる悲惨なものに……。

カントクも楽じゃないですねって、当たり前か。

各種チェックの後、モーターライズへ。

2003年9月29日(月)

風邪を引いてダウン。
季節の変わり目で気温の変化著しい昨今、風邪を引いたスタッフと共に狭い部屋にこもって作業する機会も多かったので、やっぱりきたか、というカンジではある。
奥さんの話では、2~3日はダメなんじゃないかしら、とのこと。

走り切るための体力は、年を追うごとに確実に落ちている。
限界なのは内容だけではない。

頑張れ! 負けるな!! 僕らのカントク!!!

2003年9月30日(火)

病床の監督よりFAXあり。

「気管支ヤラレテ声デナイ。今週絶望的」

常々「点滴さえ射てば風邪なんかすぐ治る」と豪語(?)していたカントクも、今回ばかりはダメなようです。
点滴パワーを超えるナニかが必要なのかも。

タリナイモノハ、ナンデスカ?