作品紹介xxxHOLiC
- カッティング 【cut・ting】 かってぃんぐ
- 1 切り取ること。切断。裁断。
- 2 (新聞などの)切抜き。
- 3 言葉などが辛辣(しんらつ)なようす。
- 4 (フィルム・テープの)カット・編集。略してCT。アニメ制作工程の中で、
制作進行のみならずメインスタッフが最初に迎えるヤマ場。
その作品全体の長さ(総尺)に合わせるため、各カットの長さを数コマ単位で調整していく。
監督・演出・制作立ち会いのもと、編集マンが作業する。
それまで紙に描かれていたアニメーション素材を、作業状況の良し悪しにかかわらず(!)
全カット(!!)、とにもかくにもテレビ画面上に引きずり出さなければならない。
…もし、アナタのまわりにアニメの制作進行のヒトがいて、
「来週カッティング…素材が、素材が…」
などと腐ったサカナの目で彷徨っているならば、最大限のいたわりと哀れみをくれてやって欲しい。
(まれに異様に元気な場合もあるが、いわゆるカッティング・ハイであって中身は瀕死である。真に受けてはいけない)
ところで、カッティングはその後に行われるアフレコ(キャラクターの声を入れる作業)に
支障がないかどうかチェックするイベントでもある。
今夜の第9話では、主人公の女性キャラが何人かの男性キャラの名前を呼ぶシーンがある。
カッティング作業が進み、そのシーンに差し掛かったとき…。
セイサク「水島サン。名前、男性AとかBのままですよ」
カントク「そういえば決めてなかったですねぇ。一人は櫻井さん(※1)の名前でいいとして」
セイサク「あははは。ヨシキくんっ!ですね。ほかはどーします?」
カントク「うーん。制作さんたちの名前でいいんじゃないですか?」
セイサク「え? ダイシロウくん!とかでいいんですか?」
カントク「それで」
…かくして、その場のノリで本編出演を果たしてしまった我がxxxHOLiC男性制作陣。
あ、あくまで名前を使っただけで、作画まで本人たちに似ているわけではないので。為念。
ちなみに、アフレコの次に控えるのはダビング(音楽、効果音を入れる作業)。
ダビング直前の制作進行に「白」「マーキング」「ズレ」などの単語は瞬殺コマンドであり、
絶対に禁句である。
こんなに言ってもその意味を知りたいというバンザイアタッカーは履歴書のご用意を。
現在、I.Gでは定期採用募集を行っています。
※1…櫻井圭記(脚本)Yoshiki Sakurai
1977年6月9日生まれ。栃木県出身。大学院在籍時に「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」をはじめとする日本アニメ、及び情報メディアに関する論文を複数発表。
それが縁で「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のシリーズ構成に参加。以後、在学しながら脚本を書き始め、2002年にプロダクションI.Gに入社。
脚本担当作品としては「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「2nd GIG」「お伽草子」「劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢」「BLOOD+」TV「×××HOLiC」ほか。