IGPX 本郷みつる監督インタビュー IGPX 本郷みつる監督インタビュー

PROFILE

IGPX 本郷みつる監督インタビュー
名前
本郷みつる(ほんごう・みつる)
経歴
アニメ界の黒豹。
いつも明るく元気な返事で、日本一腰の低い演出者(キッパリ)
代表作品
チンプイ(1989/監督)
クレヨンしんちゃん(1992/初代監督)
星方武侠アウトロースター(1998/監督)
キョロちゃん(1999/監督)
女神候補生(2000/監督)
カスミン(2001/監督)
サクラ大戦 活動写真(2001/監督・脚本)。

「本当に面白いアニメを作っているぞ!」と思って頑張っています。

——『IGPX』の監督をやることになった経緯について

 プロダクション I.Gさんと直接仕事をやったのは『なんちゃってバンパイヤン』というパイロットフィルムの監修という仕事でした。その後、とある劇場作品の監督を受け作業中だったのですが、諸事情でブロジェクトが凍結になった時に、石川社長のほうから『IGPX』のTVシリーズをやってみないかとオファーがあったのです。


——Cartoon Networkとの共同製作について

 『IGPX』の企画は、私が入る前に既に30分程のパイロットフィルムが存在していて、それをもとにTVシリーズを制作することになっていたんです。そのパイロット版は、IGマシンがサバイバルゲームをするという設定だったのですが、自分が監督を引き受けるにあたってその設定をそのまま使うのではなく、より物語を明快にするためにレース物に変更し、2D作画で描かれていたIGマシンを3DCGでの表現に変更しました。そしてより面白くする為にはどうすればいいのかという対話をアメリカ(Cartoon Network)側と何度も持ち、今の形になっていきました。

 今回は所謂、海外との『共同製作』ですが、思いのほか、コミュニケーションが上手くいき、自分が今まで関わってきた純日本製のアニメより、ずっと作りやすかったのは意外な程でした。通常、沢山の人間が関わると、種々の問題がおきるものですが、この『IGPX』は代理店も原作者もいません。自分がストーリーを考えて直接、アメリカ側とやりとりするというシンプルな形になっています。国籍は違いますが少人数が『面白いアニメ』を作ろうとして、良い結果を出しているのが『IGPX』だと思います。


——これまでのI.G作品と比較して新しいチャレンジは?

 私はアニメを作る上で他作品と比較して発想はしませんので、普通の人が見て理屈抜きで面白い作品づくりを心がけています。


——『IGPX』で注目して欲しいポイントは?

 『IGPX』は、当初13話シリーズの予定でした。レースの1シーズン(1年)の物語、それを一気に見ることが出来る構成というのを考えた結果、今の形になりました。ところが幸運な事に制作途中で全26話にしようという話が出てきて、それじゃあもう1年、次のシーズンがあるという構成にしました。だから実際のモータースポーツのように、複数のシーズンを通しての勝ち負けや事件といったような楽しみ方を反映しているつもりです。

 あえて注目ポイントをあげるなら、主人公の少年・タケシの成長以外にも、コーチのアンドレや、パイロット補欠のリバーといったような、個性的なキャラクターの動きを追ってもらえると「おおっ!」と思うような展開が楽しめるように作っています。個性的なキャラクター達が勝手に自己主張をして物語がどんどん膨らんでいきました。


——放映を楽しみにしているファンの皆さんへ

 スタッフ一同、「面白いアニメを見せちゃうぞォ~~!」と頑張っています。『IGPX』は「男の子の主人公が勇気と努力とスケベ根性をみせて活躍する」というすごくシンプルでスタンダードな作品ですので、とにかく楽しんでもらいたいと思います。新参者ですが、応援をよろしくお願いします。