IGPX 本郷みつる監督インタビュー IGPX 本郷みつる監督インタビュー

Profile

IGPX 本郷みつる監督インタビュー
名前
海谷敏久(かいや・としひさ)
経歴
アニメ界の黒豹。
1967年6月1日生まれ。『IGPX』のキャラクターデザイン担当。1986年、亜細亜堂に動画として入社。
代表作品
燃える!お兄さん(1988)
ミラクル☆ガールズ(1993)
人狼 JIN-ROH(2000/原画)
MIND GAME マインド・ゲーム(2004/原画)
季節を抱きしめて(1998/作画監督)
サーヴィランス 監視者(2002/キャラクターデザイン・作画監督)

『IGPX』は、自分たちも楽しんで作っている作品

——『IGPX』のキャラクターデザインを担当したことについて

 プロダクション I.Gの作品には、映画『人狼』からの参加となります。その後の仕事などもある程度評価して頂けたようで、寺川プロデューサーから『IGPX』のキャラクターデザインのオファーを頂きました。


——キャラクターデザインの作業はどのようにすすめるのですか?

 まず脚本を読んで、自分なりにキャラクターのイメージを膨らませます。
作業を始める時に、監督からいくつかアイデアを頂いたのですが、あとは任せて頂けたので、これまでの自分の絵から少し変えてみようと試行錯誤を重ねました。最初に方向性を決めるのが大変でしたが、決まってからは順調に進み、最終的には自分の描きなれた絵柄で落ち着いたようです。

 最初のラフ案と比較すると色々変わっていますが、主人公のタケシは最初から「ボ~ッ」としたイメージで通しています。動き出してみると意外と活発なキャラクターだったので、調整を重ねて現在の形になっています。


——『IGPX』で、お気に入りのキャラクターは?

 一番のお気に入りは、医療班のひまわりです。出番は少な目ですが、作画の人たちにも安定して可愛く描いてもらえているようです。

 逆に一番苦労したキャラクターはチーム・スカイラークのファンティーヌです。ヒロインですから、監督からも「いちばん可愛く」というオーダーも入りました。気合を入れて書いたのですが、逆に可愛くなくなってしまい、困りました。

 最初にファンティーヌのキャラクター案を出した時に、監督からOKを頂いたのですが設定協力の西村博之さんからはNGが出たりしました。案を出すより前に脚本を担当されていたので、すでにキャラクターに対するイメージが明確にあったようです。色々な方の意見をまとめながら、現在の形になりました。


——『IGPX』のデザインでいちばん冒険したキャラクターはなんですか?

 実況アナウンサーのベンジャミンでしょうか。実況中継用のマイクを持つ手の小指を立ててみたり、今までの自分の絵柄にはない方向性です。

 あとは、女性キャラクターに色気が足りないと言われまして。「へそを出せ!へそを!」と監督から指示を頂いたりしたので、コスチュームの露出度を高めにしたり、外国の雑誌を参考にしたりして、華やかさも意識してみました。


——作画監督作業について

『IGPX』では、現時点で #1、#5、#9、#13の作画監督をやっています。シリーズを通して作画監督のローテーションに入ったのは初めてです。同時に雑誌等の版権イラストも作業しています。作監作業にはない、キャラクターのイメージや、作品の雰囲気が伝わればと思います。


——放映を心待ちにしているファンの皆さんに一言

『IGPX』は、自分たちも楽しんで作っている作品ですので、皆さんも素直に楽しんでもらえると嬉しいですね。